- 「土って何色?」から広がる学び
私たちがつくるプログラムやワークショップは、少しずつカタチを変えながら進化していく。たとえば「土で絵を描くワークショップ」。土の不思議を見つける展示プログラムとして生まれたものがワークショップとして展開され、さらに全国に広がっていく。ワークショップは展覧会になり、教材化して貸出物になり、学校の授業や地域での活動になる。
*土で絵を描くワークショップ(1999年〜)
- 見つけた!ミュージアム
情報をただ受け取るだけでは、新たなものを生み出していくチカラを身につけていくことは難しい。しかし自分自身で未知のものを発見し、主体的に関わりながら理解を深めていくことで、自分なりの価値観が生まれ、暮らしや行動へとつなげていくことができるのである。その第一歩として「見つけた!」という体験が重要だと考えている。
*兵庫県立一庫公園ネイチャーセンター(1999〜2002年度)
- アップデイト展示システム
展示は、単に情報や知識を伝えるものではなく、考えを深め、広げていく学びのプロセスをつくるもの。課題に向き合い、自分なりに読み解き、人々とやりとりしながら考えを深め、共有し、行動につなげていくチカラを育むためのシステムとして私たちが開発し、各地の社会教育施設に導入されているのがアップデイト展示システムである。
*アップデイト展示システム(2001年〜)
- 新たな学びを生み出すシステム
大抵のミュージアムの立ち上げの場合、施設の企画設計をして、開館と同時に仕事は終わる。でも、実際には施設はそこから始まるのであって、施設がうまく動かない大きな原因の1つは、施設を企画設計する人と運営をしていく人たちが切り離されていることによるのではないだろうか。
*環境省ストップおんだん館(2004〜2009年度)
- つくるプロセスが一番学べる
私たちがスタッフの育成をするときに大切にしているのは、スタッフがスキルを身につけるだけでなく、施設が持続的に運営されていく仕組みも一緒につくっていくこと。
*環境省地球環境パートナーシッププラザ(1996〜1997年度、2008〜2010年度)
*豊田市環境学習施設エコット(2008〜2010年度)
*かごしま環境未来館(2010〜2012年度)
- 教育プログラムをキット化して活用!
みなさんの施設でも、これまでたくさんの教育プログラムが生まれてきているのではないだろうか。それらの教育プログラムを自館で活用するだけでなく、学校や地域で活用できるようにキット化して貸し出し、教育普及のツールにしませんか?
*環境省ストップおんだん館(2004〜2009年度)
*香川県環境学習プログラム集(2005年度)
*幼児童向け感性を育む環境教育プログラム(2014年度)
*沖縄県環境教育プログラム(2020年度)
- 学ぶチカラで地域は変わる
仕事のもう一つの柱に「地域」に関するものがある。たとえば、持続可能な地域を実現していくための計画やワークショップ、協定づくりなどを、活動しながら考え、その土地らしい方法を生み出していくトライ&エラー方式で進めていき、地元住民が主体的に活動できる「ゆるやかな場」づくりをしていった東松山市のホタルの里づくりもその一つである。
*東松山市ホタルの里づくり(2003〜2011年度)
- 暮らしに根ざしたプログラム
このところ、ミュージアムや社会教育活動に携わっている友人知人たちの活動を見ていると、こどもたち、それも幼児や児童など比較的低年齢のこどもたちを対象にした活動が増えているような気がする。かくゆう私たちも、沖縄県内のこども園での活動に関わったり、村内のNPOと一緒に夏休みのサマースクールをしたり、森のようちえんなどのこどもたちを対象にしたプログラムキットづくり研修の講師をしたりしている。
*幼児童向け感性を育む環境教育プログラム:プログラム研修(2014年度)
- 日常の中に学びの場を
私たちが沖縄で運営している「つくらし」には、自分でちいさな学びの場をつくりたいと思っている人たちがときどき訪ねてくる。20代後半から40代の人たちが多いが、独立や移住、子育てなどがきっかけで、自分で場をつくって運営していきたいと考え、訪ねてきてくれる。
*つくらし@沖縄(2012年〜)